【京都・河原町】手の届きそうで届かない場所・食堂おがわ

『食堂おがわ』

食べ呑み歩きをするようになって「いつかは」と思っていたお店。
今回ご縁あって貸し切り会にお声かけ頂き貴重なお席を頂けることに。

【外観】


阪急河原町駅を下車、木屋町通・高瀬川沿いを南下して少し西へ入った路地裏の一角にお店はあります。
はためく暖簾の奥に見える店内の一部。

20時半~の部でお邪魔。
前の回のお客様が退店されるまで軒先で待機します。

【店内】


少し待って店内へ。
店内はコの字というよりV字に近いカウンター13席。

手触りのよい木でつくられたカウンターは
京都丸太町にある木材屋の営む立呑み屋でも有名な「井倉木材」さんのものなんだそう。

店員さんは店主さん含め3名。
各々機敏に動き回る姿が印象的。


店内は昭和の雰囲気漂う棚、時計、置物がちらほら。

箸置きの裏には「おがわ」の文字。

【メニュー】


今回は貸し切り会だったので店主小川さんによるおまかせのコース形式だったのですが
食堂とつけられている所以、普段はアラカルトでのオーダーで楽しめるお店。

メニューは季節ごとにかわるようです。

【生ビール】

うすはりグラスに入った生ビールは500円。
立地を考えると良心的な気がするのは気のせいかな。

【このわたの茶碗蒸し】

蒸し上がりの時間も計算されているのだろう、
着席して乾杯した後、すぐにサーブされたのは茶碗蒸し。


なまこの腸であるこのわた入りの茶碗蒸しはほのかに感じるこのわたの塩味、
そして刻まれた柚子の柑橘の香りが爽やかに口の中で広がる。

【なまこ酢】

お次はなまこ酢。
大根おろしとともに器の中へ入れられたなまこの上にのせられたたっぷりの木の芽。


大振りのなまこは食べやすくなるように切れ込みが入れられており食感が柔らか。
酢が強く感じられ甘味は少な目。

【日本酒・蒼空】

ほぼ満場一致で日本酒へ。
配られたお猪口に各自日本酒を注ぎあいます。

1種類目は京都・伏見に蔵を構える藤岡酒造さんの蒼空(純米美山錦)。

【からすみ餅】

店主さんがV字の先端でからすみを切り始める。
同時に入口向かって右奥で海苔を炙る店員さん。
しばらくして奥から焼かれて出てきた餅。

その3つを組み合わせて手渡しで「どうぞ」と一言。

同時進行で色んなことが起こりすぎて・・・
息の合わせ方、事前に組まれた段取りの良さに脱帽。

いい塩梅のからすみに温かな餅、炙りたての香ばしい海苔の香りがミックス。

そら日本酒呑むしかないやろ。

【ハイボール】


おいおい日本酒ちゃうんかいって思ったあなた。

日本酒ももちろんぐびぐび行きつつ、
最初周りの方が飲んでいた能勢ソーダを使用したハイボールが気になって気になってチェイサーでオーダー。

チェイサーに能勢ソーダのハイボール…贅沢。

【日本酒・黒牛】

和歌山の酒、黒牛。
純米がやっぱいいなあ。ほんのり色づいた酒を冷酒でくいっと。

【お造り(鯛・赤貝)】


お次はお造り、まずは鯛と赤貝から。

人数分目のまえで綺麗に切り分けられていく鯛、
そしてバチンと板にたたきつけて反り返る赤貝をテンポよくさばいていかれます。


擦りたての山葵をのせて。


赤貝は透明色したカイヒモと肝も盛り付けられている。
よーく見て欲しい、肝が糸ひいてるの見えませんか?糸萌え。

【ぶりの塩たたき】

次は柵になった鰤を切り分け、串刺しに。一気に炙られ取り分けられた塩たたき。


お塩の味がついているのでそのままでもよし、
添えられているからしをちょこんとのせてアクセントにしても良し。

下に敷いている香味サラダが脂多めの鰤を最後までさっぱり食べさせてくれます。

【日本酒・小左衛門】

【鶏の唐揚げ】

そしてそして、お次は鶏唐。


骨付きの鶏を素揚げしたもの、骨をもって一口齧(かじ)れば中から鶏肉の脂がじゅわっとあふれ出す。
これ追加で3人前ください。


お料理も中盤に、場も暖まってきたところで店主、店員さんみなさんと乾杯乾杯乾杯~

ひとりずつに挨拶にお越しいただいて接客も好印象。

【日本酒・東北泉】

【若竹煮】

お次、若竹煮。
ゆでたてのわかめをお椀に盛り付け、それからゆでたての筍を横に盛り付ける。
最後は幾重にも重ねられた木の芽をのっけて・・・


「はい、どーぞ」とウインク☆


二番手さんかな、とってもお茶目で可愛らしかった!
有名店なのだけど皆さん気取らない接客が本当に素敵。

【日本酒・春鹿】

【山うどの天ぷら】

みたことのない程大きな山うどの塊をその場で切り分け、皮むきしていく店主さん。
粉をまぶして揚げれば・・・


ウドチュロス!
山うどの天ぷらは店主さん曰く別名「うどチュロス」笑

太く食べ応えのあるうどは中身がしゃきしゃきしていて梨のみたい。
塩で味付けられただけのシンプルなお料理なのですが悶絶ものです。

【日本酒・寒紅梅】

【鯖寿司】

鯖寿司は13人で2本用意していただく。
大阪が箱で成形していただくのに対して京都では布巾を使用するんだそう。

成形した後、昆布をのせて切り分けていく店主さん。


まあるいフォルムが特徴のさばすし。
中に入っている刻まれた椎茸の佃煮が酢飯と青魚によく合ってるなあ。
これはあと4人前ください。

【日本酒・不老泉】

最後の日本酒・・・
何杯のんだかわかりまへん・・・。

【筍ごはん】


どのタイミングだったかな、少し前に筍を目の前で千切りにしていく店主と店員さん。
この方勤められて2年だそうで今年21歳。
仕事楽しいですか?の質問に「楽しいです」と満面の笑み。

自信をもって楽しいって言えるのってなかなかないよなあ、眩しすぎた。

これは筍ごはんになりますの宣言通り、〆はこちら。


自家製の大根のお漬物。


店員さんが「あそこに」と教えてくれたぬか床は背面にあったピアノの下に発見。


セットで一枚。
筍ごはんは多めに炊いて下さっていたのでおかわりしちゃいました~

【だし巻き】

終わりかと思いきや、まだでるんかーい。

食堂おがわといえば出汁巻き。


ふわっふわの出汁巻きは本当に出汁をたっぷり含んでいる。
ひとりあたり卵は1個分だそうで、
「卵1個でこんなふわふわにできるのか?いやできない。」と反語形式で自問自答。

これだけいただいてお会計は一万円ほど。

気づけば終電ぎりっぎりで。
買いたかったお土産は購入できず・・・
駅まで酔いながら走って大阪へ。

目の前で繰り広げられるパフォーマンスの数々は手を伸ばせば届きそうだけど到底届かない。
そして手を触れさせない絶妙な距離感とオーラをまとう世界観を感じさせる空間。

死ぬまでに再訪問したい「食堂」のひとつになりました。
ご馳走さまでした!

ー 店舗情報 ー

◆店名:食堂おがわ
◆電話:
【定休日】水曜・月末火曜
【営業時間】17:30~23:00(L.O.22:00)
【店舗所在地】京都府京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町204 1F

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