【京都・河原町】京都祇園に在る大阪心地・祇園 大渡(おおわたり)

有名なお店になればなるほど行きたい人の絶対数は上がるわけで
実際に行ってそらみんな写真だって沢山撮りたいと思うだろう。

だから有名なお店になればなるほどこんなご時世だから
写真や記事投稿、ブログなど情報はあらゆるところにあふれている。

だからといって私がこれを書いたところで・・・・とは思わない。(ようにしている笑)
私には私の伝え方があると思っているから。

本日は京都でホスピタリティに溢れる割烹
「祇園 大渡(おおわたり)」さんのご紹介です。

【外観】


場所は京阪祇園四条駅から八坂神社の方向へ。
東大路通りをちょっと入ったところ、駅から徒歩10分程で到着しました。

情報が溢れる今の世の中、
事前に色々情報収集・・・

食べログ評価は4を超える高評価、ミシュラン2つ星を獲得。
華やかな称号をもつお店はとにかく予約が取れない超人気店なんです。

そんな祇園 大渡さんに貴重なお席を頂き2回転目19時~の部で3人での訪問。

【店内】
・入口

・待合スペース

1回転目の方々は17時~のスタート。
2回転目が19時~なので2時間で割烹のコースを食べ終えなければならず19時の10分前に到着しましたが
まだ店内には人がいらしたので外で待機。

よければ中でお待ちくださいと二階にある待ち合わせスペースにて
冷たい緑茶を頂きながら呼ばれるまでのひとときしばし待ちます。

19時15分頃ようやく席へ案内されて大将の待つステージへいざ。
靴を脱いでから上がるお部屋には玄関から
廊下を時計回りにぐるっと歩くとカウンター見えてきます。

カウンターは8席が通常ですが、この日は9席。
わたしたちは一番入口側のお席へ着席させていただきました。

【瓶ビール】

まずはビールから。
瓶のビールは小瓶でエビス、キリン、アサヒが選択できたのでエビスとアサヒの呑み比べをすることに。

【大将・大渡さん】

着席してビールを頂いているやいなや撮ってくださいと言わんばかりにポーズを決めてきてくださる大将大渡さん。
聞いていた噂や勝手な想像と異なるお店もありますが、大渡さんは私の想像していた通りの方。
はじめの少し緊張した空気感も和らぎます。

※以下、メニュー名は勝手につけています。

【1品目】
じゅん菜酢

はじめに目の前の角お盆に運ばれてきたのは冷菜の蓴菜(じゅんさい)酢。

「王将って知ってる?そこで冷やし中華食べてるときに思い浮かんだのがこちらです」とひとこと。
本当なのかな?どこまで本当なのかわからないのも大渡さんの魅力のひとつ。笑


トマトを濾して作られた冷製の出汁、その中には涼し気な透明のぷちぷちを纏うじゅん菜とたたきオクラの餡が添えられ、
上にはかにかまのかわりに毛ガニ。
毛蟹の身の下には麺に見立てた長芋を昆布締めした素麵が敷かれていました。

トマトの爽やかな酸味とつるっとしたじゅん菜と長芋素麺がのど越しよく、
のせてあるキャビアで塩味を補いながら頂きます。


お皿は朝鮮唐津焼。船のような形が可愛い。

【日本酒・早瀬浦】

早々に日本酒へシフト。
大将のおすすめで順番にだしていただくことに。


とっくりはバカラかな?綺麗な模様の入ったもので出していただけます。


選べるおちょこは三人ともぐい吞みをチョイスしました~

【2品目】
冷製茶碗蒸し


二品目も冷たいお料理。
牛蒡で出汁をひき白みそ仕上げてにした冷製茶碗蒸し。上には餡と山椒が少々。
山椒をいただくと大抵舌がやられてしまうのですがこちらの山椒はほのかに香って後に残らず本当にお上品!

中には鯨皮の脂肪部分をぬかで8時間以上炊き上げてコラーゲン状にした餅鯨が入っていました。
餅鯨は初めて頂いたのですが、もちもちで鯨の甘みがしっかりと感じられました。

【3品目】
鮎ふらい

塩焼きや天ぷらで出されることの多い鮎ですが、大渡さんではフライに。


破れやすいお腹部分を守る意味合いもあるみたいなのですが
食感をよくするためにお腹のみパン粉をつけてあげられた鮎ふらい。

ウスターソースにポン酢を加えたウスターポン酢で。
ウスターソースに程よい酸味が加わって意外にも合う組み合わせに。


椿の描かれた四角い形のお皿。

【日本酒・義狭はるか】

【4品目】
すっぽん冷製粥

おしのぎは冷製のすっぽん粥。
周囲にあるおそらくすっぽん出汁でつくられた甘めのにこごりのようなものとともに。

「お凌ぎ」という言葉は、「空腹をしのぐ」と言う意味からできた言葉だそうで
会席料理の献立の一つ。コースでは中盤よりも前に出されるお料理のことを指します。


それぞれ異なるガラスの器にもりつけられていました。
上にのっている浅葱・・・この繊細な美しさはいつもじっくり眺めてしまう。

こちらの冷製粥は周囲のタレの味わいが甘くなくてもいいのではないかなと個人的には感じました。

【廣戸川】

【5品目】
鱧の焼き霜造り

真剣な表情でハモの身を骨切りしていく大渡さん。
茶目っ気さと真剣な表情のギャップも引き込まれるポイント。


骨切りされた鱧は七輪で軽く背中を炙って・・・


氷の敷かれた器の上にひとつずつのせられていきます。


大渡さんでは大将の他にドリンクや食べ物のサービスをしてくださる方が2名、中と外で大将の調理をサポートする方が2名働かれていました。

鱧を目の前でのせてくれている若い男性は21歳。
京味出身、銀座にて懐石料理店を営む小熊店主をお父さんにもつ方だそう。

ゆくゆくは小熊を任せられることになるのだろうな、
大将の動きを確認している姿をパチリ。


京都の夏といえばの代名詞といっても過言ではない鱧。

目の前で骨切りした鱧は軽く焼き霜にしてほぼ生のままでいただきました。
焼いてすぐに氷にのせることでほのかに立ち上る湯気が美しく、
添えられているおろしたての山葵とお酢をつけていただくのが一番の楽しみ方。


変化球でスダチに挟まったはも卵の塩辛をのせるとお塩かわりになります。
これはそのままアテとしてももちろんオッケー。

【6品目】
あこう鯛と白木耳のお椀

続いて椀もの。お椀を触ると温かく出汁に期待が高まります。

銀色の器は蓋を開くと刃入れをされ花咲いたようなあこう鯛と透明の白木耳が美しく浮かびます。

あこう鯛はくずをまぶして蒸し上げるくずたたきになっていて
上には薄くそいだ緑の胡瓜と赤い梅肉に木の芽が添えられ彩が綺麗。

初の温出汁に感動です。


蓋の裏に書かれている絵のさりげない感じが好き。

【7品目】
冬瓜と牛しゃぶ

青の器に映えるレアに湯通しされた牛肉。


お肉は冷やし固めると脂が固まってしまうためこちらのお料理は脂の逃げ出さない、
そしてあたたまりすきない絶妙な温度の昆布だしでしゃぶしゃぶしているんだそう。


上には炊きあげて冷やしマッシュして仕上げた冬瓜がのせられており
ほのかに暖かい牛肉とひんやりつめたい冬瓜を一緒にいただきます。

冬瓜って冬という文字が入っていますが夏野菜。
保存性が高いため昔は夏に収穫したものを冬の保存食としていたところから名付けられました。

出汁の味わいが脂の甘さを引き出しており思わずワインを・・・

【白ワイン】


大渡大将はソムリエの資格も持たれており、
長年茶道もたしなまれているんだそう。

これまた頂きました、カメラ目線。笑

【8品目】
すずき塩焼き

すずきの切り身を目の前の焼き台で塩焼きに。
塩を均一にふることのできる笊のような可愛い器具を使ってらっしゃいました。


焼いたすずきは大将と若い板さんとで息をあわせてひとつの作品に仕上げていきます。


のっている白色の千切りはうど。
そして周囲にふちどられた深い緑色のソースは蓼(たで)酢。


仕上げにゆかり入り黒七味のかけられたお皿はまるでフレンチのような仕上がり。

のせられていた蓼の葉、
大将に食べてみと言われはじめて頂きましたがピリッと辛い!
いい経験させて頂いた。

【9品目】
鮑のしゃぶしゃぶ

仮面の目のように黒鮑を手にもってシャッターチャンスをくださる大将、茶目っ気たっぷり。


京都祇園にお店を構えられる店主大渡さんは、大変珍しい経歴の持ち主。
福岡県に生まれ、大阪の「本多」「季節料理 津むら」などで修業をした後、34歳のときに京都にて独立。
京都の場所を選ばれたのは奥様のご実家があったからなんだそう。

京都のしかも祇園という立地でこんなにエンターテイナーな割烹に出逢えるとは今まで想像していなかった。
大阪で修業されたせいか、
京都にいながらまるで大阪にいるような心地すら感じます。


すっぽん出汁でたかれたたっぷりの白ずいきが入ったぐつぐつ煮立つ小鍋に
スライスされたくろあわびとたっぷりと茗荷がのせられています。

しゃきしゃき食感のうどと柔らかい黒鮑。
一緒に出して頂いた肝醤油をつけて頂きます。


鮑の柔らかさ!肝醤油をつけるとコクが加わって箸がとまらない。
肝醤油はいい意味で肝臭くなかったので〆のご飯にかけたらおいしいかも・・・
と見越してステイしておきます。

【日本酒・酪泉夏吟】

【10品目】
土鍋ご飯


土鍋で炊かれたご飯はにえばなから。
蒸らす直前のにえばなは水分が多めで甘みをすごく感じる。


ご飯のおともはちりめん山椒、香物、ぶりのへしこ、鱧の梅和え、生卵、
そして残しておいた鮑の肝醤油。

おともがありすぎるのにご飯すくなくない?!と思っても安心してください。
おかわりできますよ。


ご飯はおかわりのタイミングで「ノーマル」「卵黄のみ」「全卵」が選択できるので卵黄のっけを。

この卵黄のっけはもはや大渡さんの名物?!である大将のささやきつき。
「卵って黄身と白身どっちが好き?僕はキミだけが好き、キミだけが好き」ってね笑


おかわりたまごかけご飯。

そっと添えられたささやきは「キミだけしか見えない」でした笑


残しておいた鮑の肝醤油もオンしてまぜまぜ。
これがごはんさらにすすむ~

結局全卵も頂き、合計6杯おかわり・・・
山椒じゃこのおかわりまで頂きました。

【11品目】
黒糖わらび餅、卵白梅しそ菓子


最後の〆のデザート。

長年茶道を習われている大将自ら点ててくださるお抹茶とともにでてきたのはとろっとした黒糖のわらびもち。
甘さ控えめのきな粉がたっぷり。


最後の最後には卵黄のみのたまごかけご飯の白身部分を集めて梅しそをまぜて作った卵白の軽いお菓子が出されました。

【その他】
コース後は大将やお店の方々も落ち着かれてしばしのフリータイム。


煮物など重要なお料理を任されている丸山さん。


お酒を呑んでいる友人がいたのでカラスミのお裾分け。
ついでに私もいただいちゃいました。

ただ一筋縄ではいただくことができず
ずっとカメラを向けていた私から携帯を奪い仕返しを始める大将。

カラスミ欲しいか?と攻められてタジタジの私笑。


塩気が控えめで罪悪感なくいただけるカラスミはご飯にもあいそう・・・


渡した携帯で自撮りまで。
本当にホスピタリティに溢れる大将です。

鱧の端や卵白など、
どうするんだろうとか勿体ないなって思っていた食材もメニューに盛り込まれていて私は嬉しかった。

最後の最後まで長居させていただいた大渡さんのあとはもちろん電車で爆睡して無事帰宅。

大渡劇場楽しませていただきました!
ご馳走さまでした!

ー 店舗情報 ー

◆店名:祇園 大渡 (おおわたり)
◆電話:075-551-5252
【定休日】不定休
【営業時間】18:00~21:00
【店舗所在地】京都府京都市東山区祇園町南側570-265

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