【大阪・宿院】あとにもさきにも・鮨おおが

人生時には諦めることも大切。
引き際が肝心。
去り際の美学。

などと言われるけれどそれは目標に対して限りなく手の届きそうなところまで近づいたことがある人間が自分のふがいなさを正当化して出た言葉なのか。

はたまた、敢えて引いたことに対して第三者の称賛する重いから出た言葉なのか。

ともかく、目標(行きたい店)が手の届きそうなところまできたとしてひくことができる人間ってどれほどいるんだろう。

お誘い頂き堺・宿院の超予約困難店「鮨おおが」さんへ。

【外観】


塀から覗く大小の木々の隙間から見える白木の格子が和を感じさせる趣ある平屋の店構え。
正月なんかには大きなしめ縄が入口に置かれそこをくぐって敷地内へ・・・と縁起のよい装飾がされることも。

鮨おおがさんは向いにある創業80年以上続く老舗鮨「弥助」さんの
4代目大賀伸一郎さんが独立されたお店。

できた当初からすぐに話題に。
人気に火がつくとともにお値段も火がついて・・・
それでも予約の取れない人気店になった実力派の鮨屋は鮨好きなら一度は訪れてみたいだろう憧れのお店。

【店内】

店内のお席は横並びのカウンターが末広がりの8席のみ。


時間は17時半と20時半~の2回転、完全予約制。
知らなかったんだけどこの白いひざかけは記念にもって帰ってもよかったんだそう。
使わないだろうけど・・・記念にね。

【ビール小瓶】

ビールは小瓶のみ。
うすはりの可愛いグラスで乾杯します。

【ワタリガニ ジュレがけ】

一品目はひんやりとしたワタリガニのジュレソースがけから。


ほぐされた身がたっぷり入ったお椀にジュレは酢でなく出汁を感じるソースになっていました。
上からかけられた柚子の爽やかな香りがいい。

【明石・鯛】

アテ二品目、兵庫県・明石で揚がった鯛。
透き通った身は弾力とほのかな甘みが口に広がるおいしさ。
すりたてのほんわさびをちょこんとつけていただきました。

【日本酒】

旨い和の肴があれば欲しくなる日本の酒。
日本酒を冷酒で1合~
おまかせでチョイスしていただきました。


おちょこは色んなサイズデザインの中から好きなのをひとつ選択して呑み進めます。

【車えび】

外国の飴細工みたいな車海老。
絶妙な加減で湯通しされた車海老は身がびっしりと詰まっている。
わさび塩で海老本来の甘みを引き出して食しました。

【栗と菊菜の白和え】

豆腐が他を邪魔しないシンプルな味わいだからこそどんな食材でも合う万能選手の白和え。
白和え自体は甘さ控えめに、栗の甘露煮が甘さの役割に。菊菜の苦みが栗と大豆にマッチ!

【太刀魚 揚げ物】


揚げ物は太刀魚。
火入れされてふわふわになった太刀魚は片栗粉の衣の軽いサクサク感との食感のハーモニーが面白い。

ほんわさびをつけて頂いてもおいしくいただけました。

【握りの用意】

アテを頂いている間に目の前では握りの準備が着々と進められていきます。

鮨おおがさんの代名詞と言っても過言ではない「まぐろ」も手際よくさばかれていきます。


うには大粒のとろっとしたものが板から贅沢に人数分にわけられていきます。
後ほどの軍艦で・・・


勢ぞろいした握りのネタたち。
もちろん他にも沢山ネタはありますよ~

【銀杏茶碗蒸し からすみがけ】

温かい茶碗蒸しは上品な白いお皿に入れられて登場。
銀杏の断面ってこんなに美しかったんだな。
まるでお花が咲いたように盛り付けられた銀杏の上からはからすみがけずりかけられています。

【がり】

アテも終盤、茶碗蒸しを頂いている間に握りに向けてお皿の上にガリがのせられていきます。

【本鮪・背中】

一貫目、本鮪の背中。
赤身なんだけど脂がのっているのがよくわかる色合い。

そして握りは白身から提供されることが多い鮨屋のコースですが、おおがさんでは店の顔である鮪から。
これがなんだか斬新な感じがしてよい!

シャリは赤酢を使用されていて粒は硬めの炊きあがり。
好みはかなり分かれそうですが私はかなり好み。

ちなみにこの日の鮪は大間で捕れた196キロで水揚げされたものだそうでした。

【本鮪・背中トロ】

二貫目も本鮪。
先ほどの背中の部分よりも脂ののった切り身。
脂が濃いすぎず口の中でほろりとほどけていきます。

米粒が固めなのですが、切り身のとろける速度と同時にシャリもほどけていって
酢飯と鮪の油分が口の中で乳化しまろやかな味わいに変化していきました。

【ハリイカ】

三貫目、記憶が定かであればハリイカ。
赤酢のシャリはあまり白身に合わない気がしていたのですが、おおがさんのシャリは酢と砂糖のバランスが白身にも違和感なく合うから不思議。

【春子(かすご)】

四貫目、小さな鯛であるかすご。

【白甘鯛】


五貫目、白甘鯛は4.8キロアップのもの。
3週間寝かされてもっちりとそしてねっとりと口にまとわりつく。

【ミネラルウォーター】

お水は瓶で。
富士山の絵が可愛いラベルのミネラルウォーター。

【こはだ】

六貫目、締めて一日のこはだ。
浅締めにすると酢が中まで浸透しないそう。

締めすぎていなくて臭みもなく赤酢にも負けない力強い青魚の味わい。

【本鮪・中トロ】

七貫目、腹の部分、中とろ。
背中トロの部分より脂が多めでした。

【本鮪・大トロ】

八貫目、本鮪大トロ。

ここまでくると脂がかなり苦しくなるのではと思いきや綺麗な脂はすんなりと胃に入っていきました。

鮪は冬場脂ののりがよく夏は香りがよくといわれており
好みわかれる魚。私は冬がすきかなあ。

【雲丹】


九貫目、軍艦で北海道のうに。
たっぷりと、でもいやらしくない程度に盛り付けられた蝦夷バフン雲丹。

一枚一枚提供前に炙ってから仕上げてくださるので海苔の香りも口のなかによく広がる。

【いくら】

十貫目、いくら。
いくらは軍艦でなくミニ丼のスタイル。


このいくらに大感動。
皮のこりが一切なく、粒も柔らかで口に入れてほろほろととけてなくなった・・・
人生で食べたいくらの歴代チャンピオン塗り替えられた。

【煮穴子】

十一貫目、煮穴子。
温かく柚子の香りが良いひと品。個人的にはもう少し甘くない方が好みだったかな。

【ねぎとろ】

十二貫目、巻物のネギトロ。
板場に白ネギ、ねぎった本鮪。


ひとつずつ炙りたての海苔でまきまき・・・
大将の大賀さんに「はい」っと手渡しでいただきます。


パリパリの海苔にちょうど良い塩梅の量のねぎとろ。
最後食べきってしまうのが惜しかった。

【玉子】

ラストは玉子で。
えびの出汁に山芋を使用した玉子はなめらかな食感。

【その他追加もできます】

その日もう一度食べたい食材やコースの中にでてこなかった食材は追加でオーダー可能。

【あおさ汁】

〆の汁ものはあおさ汁でした。
あがりも頂いてあっという間のごちそうさまでした時間。

お会計はコース料金が34000円程、飲み物に小瓶と日本酒2合を頂いてひとり38000円程でした。

毎度酒場へ訪問するときにはあとにもさきにも最後かもしれないと思って訪問したりする。

もう訪れられることはないかもしれない。

超予約困難店、鮨おおがさん。
あとにもさきにも。

ご馳走さまでした!

ー 店舗情報 ー

◆店名:鮨 おおが
◆電話:072-221-1818
【定休日】不定休
【営業時間】17:30~
20:30~
2部制となります。
【店舗所在地】大阪府堺市堺区大町東1-2-7

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