【大阪・南森町】愛言葉は「10秒以内」・炭匠 御厨(すみしょう みくりや)

予約が取れないとかここ流行ってるよとか言われると
偏屈な性分の私はふーんと白けた返事をしてしまう。
でも本心はめちゃめちゃ行きたいしなんだったらめちゃめちゃ調べてこっそりひとりで行ったりもしてしまいます。

好きなのに好きって言えない的なあのやつね。

かねがね噂に聞いていた
『炭匠 御厨(みくりや)』さんへ。

御厨さんと顔見知りの方にお願いして予約取って頂いての訪問。

【外観】


覗けば中が見えるけど中の人からは外の人の気配を感じず食事のできる絶妙な長さの暖簾。
紺色の暖簾って入る前に一呼吸おけるというか精神の落ち着きを与えてくれる色味だと個人的に思う。

【店内】

店内は焼き台の前のカウンター2席、
通路挟んで奥にもカウンター6席あって合計8席程の好きなサイズの空間。

厨房には少し大き目のいかにも九州ご出身と思しき大将と
ドリンクや一品を提供していらっしゃるスタッフの男性の2名で切り盛りされていました。


先日、プチ改装されたそうで棚に並ぶ焼酎ボトルが綺麗にライトアップ。

アラカルトだと思っていたのですが訪問した7月から
飲み放題付きコース一択、そして完全会員制に変更になったそう。

ビール、焼酎、日本酒となんでも好きなものをお願いしてよいとのことだったので
焼き台前のカウンターに着席、焼き場を眺めながらまずは生ビールから始めます。(撮り忘れ)

【突き出し】

お突き出しはゆば豆腐。舌に絡むとろっとした大豆特有の旨味がたまらない。
同じ豆つながりのお醤油とアクセントにわさびがよく合います。

【鶏造り盛り合わせ】

お造り食べれますか?と確認されて出てきたのはこちら。
ずり、うちもも、白肝の3種盛り合わせ。

鶏の色味が映える黒のお皿に盛り付けられたお造り、
あわゆき塩や穂紫蘇が添えられているのが嬉しい。

こりっとしたずり、もっちり弾力のあるうちもも、ねっとりして少し舌にざらつきの残る臭みのない白肝。
食感の異なる3種の組み合わせにそれぞれごま油、ポン酢、お醤油をつけていただきました。

【箸休め】

大根の鬼おろし。ポン酢であっさりなのでいくらでもたべれてしまう・・・
焼き鳥屋さんで出てきたら大抵おかわりしてしまう隠れた名料理だと思う。

【日本酒・阿部勘】

早めに日本酒スタート!
阿部勘の夏酒はボトルの後ろからライトを照らすと金魚が浮かび上がってくる幻想的なラベル。

【丸ズッキーニ】

焼は野菜の丸ズッキーニから。
中までじっくり丁寧に焼かれた野菜は優しい甘味がじゅんわり中からあふれ出します。
粒マスタードはお好みで。


いよいよ鶏の部が!目の前で焼きが始まります。

九州っぽいなあと思っていた大将小田健太郎さん、やっぱり九州でした笑
長崎県御厨町ご出身だそうでお店の名前が出身地から由来していることが判明!

【せせり】

一串目、せせり。
首のお肉せせりは脂の多めの部位。

ひとつながりの長いまま串打ちする店、短く切って串打ちする店色々あるけど
御厨さんのは中くらいにして折り返して最後の方の焼き台で焼きづらいところは短くなってる系。脂加減いい!

そして御厨さんではひとつ守らなければいけないルールがあります。

「目の前に出されてから10秒以内に食べる」。

このたったひとつの約束を守ればだれでも御厨さんの門をくぐることができるんです。
意外と守れるひとが少ないんですけどね。

【こころ】

こころは心臓の部分、ハツとも呼びます。
肝と繋がっている部分なのでほんのレバーの味わい、噛めば噛むほど甘みがでてくる。

【日本酒・山形正宗】

昼の部ってタイトル。
花火なのに昼?!どういう意味で名付けてこのラベルの絵柄にしたんだろう・・・って考えてる間に呑み切ってしまった笑

【砂ズリ】

大好きなズリは個人的に一個まるまる串打ちしてあるのも食べ応えがあって好き。

間に挟まっていているししとうの苦みがよいなあ。

【ぼんじり】

若鳥のぼんじり。
若々しいプリっとしたフレッシュな食感と脂ノリ具合がよい!

ぼんじりってお店で自分ではあまり頼まない部位なのでコースで食べられると嬉しい。

【鹿野地鶏パンフレット】

ちなみに使用されている鶏は鳥取県産の鹿野地鶏。

この銘柄の鶏さんは大阪では2店舗と取引しているお店が少なく、
飼育数に限りがある貴重な鶏のためオスとメスはミックスされて手元に届くんだそう。

【ささみ】

炭火のついていないきれいなささみ。
ふわっとしていて中はレアでしっとり。

このタイミングでカウンター前の席があいたので移動させていただけることに。

【日本酒・森嶋】

【低温調理した鶏ハム】

弾力があるのにとってもしっとりとした鶏ハム。
そのままでも鶏の味が感じられて好みですが少しあわゆき塩をつけると甘みが引き立ちました。

【ヤングコーン】

炭火で焼いたヤングコーン。
大きくなるとトウモロコシになると聞いたことがありますが、スーパーなんかで店頭に並んでいる数をみると
専門でつくられているんだろうなあと思う。

ヤングコーンはひげが好き!間に野菜を出して頂けるのって嬉しいポイント。

【ずりもと】

ずりの下処理をする際に一般的な焼き鳥屋さんでは捨ててしまう部分をさらに丁寧に下処理して串打ちされたもの。食感がいい。

【雌親鶏ぼんじり】

親鳥のぼんじり、はじめに頂いた若鳥よりも噛み応えしっかり。

そしてこのぼんじりはメスの親鳥なんだそう、
大切なことなので小田さんに二度「メスの親鳥のぼんじり」と言われました笑

【もも】

もも肉をこのボリュームでいただけると思ってなかった。
皮目ぱりっと、そして焼かれて溶けつつも残った塩の粒が鶏肉の旨味をさらに引き出してる。
肉質は硬すぎずでも柔らかすぎず・・・赤鶏に近い感じのイメージ。

【日本酒・山川光男】

【胃袋】

鶏の胃袋は人生ではじめての体験。
独特の癖があるんだけど酒に合います。

【鴨ホルモン】

浮袋近くの皮の部分を焼いたもの。
お好みで添えられているからしをつけていただきます。

【皮】

むにゅっとした食感が苦手だという方もたまに耳にする皮。
外側をパリッと焼き上げれば、楽しい食感が味わえます。

【日本酒・鶴齢】

【鶏ハラミ】

腹身。鶏には横隔膜がないんだって。

【白子】

とろっと中身の溢れる白子はポン酢で。
個人的にはもう少し濃いポン酢が好みでしたが、白子は濃厚で大満足。

【鶏レバー低温調理】

そしてこれ!!出汁につけて低温調理して仕上げた鶏の肝。
パサつき感が一切なくほんとにしっとり。

肝串でないなーと思っていたのがこちらのお料理の到着で疑問解決。
出汁の旨味もしっかり味わえるのでなにもつけずこのまま食すのがおすすめです。

【日本酒・播州一献 愛山】

【店主ゴリさんこと小田健太郎さん】

ご紹介が遅れましたがゴリさんの愛称で親しまれる店主兼焼師である小田健太郎さん。

初訪問だった私にも「焼き加減大丈夫ですか」と確認してくださりあまりにも好みの焼き方だったので興奮して質問攻めにするもひとつひとつ丁寧に答えていただき感謝。

本当に優しい方です。

必ずしも万人一致ではない焼き加減や塩味具合。

ただ自らのこだわりを押し付けるだけでなく
お客さんの好みを聞き入れて焼き鳥を楽しんでもらいたいと思う姿勢がゴリさんからひしひしと感じられファンになりました。

【玉ひも】

ねぎの乗ったたまひもを・・・


持ち上げてゆらすとゆらゆら愛らしい。
火の入りきっていない半透明の玉ひもは口の中でぷちっとはじけます。

【日本酒・鍋島】

日本酒を好きになったきっかけでもある鍋島。
ぶれが少なくて安心して飲めるお酒です。

【あわびだけ】

合間にやってくるお野菜シリーズ、あわびだけ。
じっくり焼かれたきのこは中からきのこ汁がじゅんわり。

【鴨肉】

脂身との割合がきれいな鴨肉。
鴨の血の味わいがしっかりしていて好みの肉質でした。

【ソリレスレア焼き】

希少部位ソリレスをレア焼きで。
ソリレスとは鶏モモ肉の足の付け根の辺りにある肉、ピンポン玉くらいの大きさのお肉の事を指します。

【日本酒・南都】

こちら最後の日本酒南都さんの守破離。
焼酎含めてまだまだ呑みたいお酒が沢山でしたが焼き鳥が楽しめないくらい酔っぱらうと悲しいので
欲張りたい気持ちを我慢。

【ふりそで】

最後の最後にほんとにドンピシャの焼き加減の串が登場。
ど真ん中ストレート直球。この皮のパリッと感、弾力と旨味を閉じ込める絶妙な焼き加減。

【手羽先】

串もの最後は手羽先。
やじるしみたいで可愛くないですか笑

下処理で骨を抜いて、中に葱を詰め込んであるタイプ。
手羽先大好き、手を汚さず食べられました。

そしてやっとここからが〆。
親子丼、釜めし鶏ご飯、玉子かけご飯の3種類からそれぞれ選べたので
以下2品をチョイス。

【釜めし(鶏ご飯)】


頼んでから釜で炊いてくださった鶏飯。
できたてを少し蒸らしてお茶碗によそって頂き海苔のせて完成。
種の抜かれた梅干し添え。

鶏肉、しめじ、人参、油揚げと組材がたっぷりで色んな旨味をすったお米、優しい味わいです。

【親子丼】

もう一品、親子丼。
ひとりずつの〆なので小さいのが来るかと思いきやがっつり丼の登場でテンションあがる!

卵でとじられているもも肉、
上にのっている卵黄を割って卵を絡めて頂きます。

味付けがちょうどよくあっという間に平らげてしまいました。

【漬物】

山芋とたくあんの漬物。
これだけでも飲めそう・・ちなみに一人分、太っ腹さに脱帽。

最後にゴリさんの想いを文章にしてみる。

こだわっているからこそ焼き鳥を愛してくれる人に食べて欲しい。
焼き鳥を愛しているならば
「目の前に出されてから10秒以内に食べる」
この約束を守ってくれる人に食べて欲しい。

愛言葉は「10秒以内」です。

これを守れる方のみ、
是非ともおすすめしたい素敵すぎるお店でした。

ご馳走さまでした!

ー 店舗情報 ー

◆店名:炭匠 御厨(スミショウ ミクリヤ)
◆電話:06-6948-5563
【定休日】不定休
【営業時間】18:00~串ものがなくなり次第終了
【店舗所在地】大阪府大阪市北区西天満5-10-4

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。